東風谷早苗物怪録 ~怪異一日目~
それから数日後。
翌朝には既に祟り岩の件は忘れていた早苗、その日は神社の近くでまた別の相手と弾幕ごっこをしていた。
今度の相手は普通の魔法使い『霧雨魔理沙』である。
双方盛り上っていた所、晴天にわかにかき曇り…
辺りは猛烈な風雨に見舞われた。
「うひぃ、これはたまらないぜ!弾幕ごっこは中止だ!お前の神社にしばらく雨宿りさせてもらうぜ!」
魔理沙が慌てて山の神社へと向かい、早苗もそれに続く。
「一体どうしたんだ、この激しい風雨は。文の気質発現でもここまでは降らないぜ。」
玄関先で早苗からタオルを貰い、顔を拭きながら魔理沙が言う。
「近くに雨降り小僧でもいるのでしょうか?」
同じくタオルで体を拭く早苗。
魔理沙は空模様を見ている。もう夕方になるが、まだ雨は止みそうにない。
「早苗、今晩ここでお世話になってもいいか?」
「はい、どうぞゆっくりして下さいね。」
早苗はにこやかに返し、せっせと客を迎える準備をし始めた。
その後、魔理沙は神奈子や諏訪子と共に夕食を食べ、その後は早苗と二人でしばらく談笑していた。
そして夜も更けてきた頃…。
二人は神社の外に何か不穏な気配がある事に気づいた。
すると、障子越しに外がパッと急に明るくなった。
「火事か!?」
魔理沙が身構える。
早苗が急いで障子を開けようとするが、何故か障子は固く閉ざされており、全く開かない。
すると突然大きな毛むくじゃらの手が障子を突き破って早苗を鷲掴みにする。
「なっ――――!」
突き破られた障子の外には嵐の中らんらんと光る大きな一つ目…。
山の様な大入道が早苗を掴んでいた。
「…コイツ!」
咄嗟に魔理沙が大入道に向けてマスタースパークを放つ!
…が、全く手ごたえがない。
「今度はこっちです!」
縁側で踏ん張る早苗も大入道に向けて九字刺しを放つ!
…が、こちらも全く手ごたえがない。
「どういうことだよ!一体何なんだコイツは!」
魔理沙が珍しく取り乱す。
「攻撃しても駄目なら気合いで対抗です!」
早苗が大入道を睨みかえす。すると、大入道はかき消えた。
…直後に神奈子と諏訪子が一連の騒動に感づいて駆けつけてきた。
「早苗、これは一体…。」
「待って、まだ何かあるわ!」
神奈子が辺りを見回していると諏訪子が急に皆に呼び掛けた。
するとどうだろう…。
パタっ… パタっ…
今度は畳が持ち上がりはじめたのだ。
「うわっ、っととと…」
魔理沙の下の畳が高くまで持ち上がり、魔理沙がバランスを崩す。
神奈子と諏訪子も回りでバタバタと上がる畳を睨みつける。
早苗の周りだけの畳は何故か動かない。
諏訪子が怪異を鎮めようとするが、何故か体が動かない。同じく神奈子もである。
ただならぬ気配に視線をやると、湯飲みをお盆に載せた小坊主が二人の周りを回っていた。
「こ…こんなもの…!」
フン!と二人が力を入れると金縛りは解け、小坊主はかき消えた。
同時に畳の揺れは収まった。魔理沙が体勢を立て直して言う。
「ポルターガイスト現象か、近くに三姉妹でもいるのか?」
「いや、違う。これは…」
諏訪子が怪異の原因を考える。
「早苗、何か心当たりは無い?」
ハッ、とこないだの祟り岩の件を思い出す早苗。
二人の前で隠すワケにもいかず、事の次第を全て話した。
「なるほど、まだそれが原因かどうかは分らないが…。今後怪異が続く可能性も多いにある。」
「何なら私達も力を貸してあげようか…?」
神奈子と諏訪子が怪異の解決に協力しようかと持ちかける。
「いえ、この怪異は私一人で何とかします。」
事の発端は自分にあること、そのことで二人に迷惑をかけたくないことから早苗は出来る限り自分一人の力で何とかすることを決めていた。
「そうか…それなら私達もしばらく様子を見ることにしよう。くれぐれも無理しないようにね。」
こうして、怪異一日目は幕を閉じた。
「何だか面白そうな事になってきたんだぜ。」
翌朝には既に祟り岩の件は忘れていた早苗、その日は神社の近くでまた別の相手と弾幕ごっこをしていた。
今度の相手は普通の魔法使い『霧雨魔理沙』である。
双方盛り上っていた所、晴天にわかにかき曇り…
辺りは猛烈な風雨に見舞われた。
「うひぃ、これはたまらないぜ!弾幕ごっこは中止だ!お前の神社にしばらく雨宿りさせてもらうぜ!」
魔理沙が慌てて山の神社へと向かい、早苗もそれに続く。
「一体どうしたんだ、この激しい風雨は。文の気質発現でもここまでは降らないぜ。」
玄関先で早苗からタオルを貰い、顔を拭きながら魔理沙が言う。
「近くに雨降り小僧でもいるのでしょうか?」
同じくタオルで体を拭く早苗。
魔理沙は空模様を見ている。もう夕方になるが、まだ雨は止みそうにない。
「早苗、今晩ここでお世話になってもいいか?」
「はい、どうぞゆっくりして下さいね。」
早苗はにこやかに返し、せっせと客を迎える準備をし始めた。
その後、魔理沙は神奈子や諏訪子と共に夕食を食べ、その後は早苗と二人でしばらく談笑していた。
そして夜も更けてきた頃…。
二人は神社の外に何か不穏な気配がある事に気づいた。
すると、障子越しに外がパッと急に明るくなった。
「火事か!?」
魔理沙が身構える。
早苗が急いで障子を開けようとするが、何故か障子は固く閉ざされており、全く開かない。
すると突然大きな毛むくじゃらの手が障子を突き破って早苗を鷲掴みにする。
「なっ――――!」
突き破られた障子の外には嵐の中らんらんと光る大きな一つ目…。
山の様な大入道が早苗を掴んでいた。
「…コイツ!」
咄嗟に魔理沙が大入道に向けてマスタースパークを放つ!
…が、全く手ごたえがない。
「今度はこっちです!」
縁側で踏ん張る早苗も大入道に向けて九字刺しを放つ!
…が、こちらも全く手ごたえがない。
「どういうことだよ!一体何なんだコイツは!」
魔理沙が珍しく取り乱す。
「攻撃しても駄目なら気合いで対抗です!」
早苗が大入道を睨みかえす。すると、大入道はかき消えた。
…直後に神奈子と諏訪子が一連の騒動に感づいて駆けつけてきた。
「早苗、これは一体…。」
「待って、まだ何かあるわ!」
神奈子が辺りを見回していると諏訪子が急に皆に呼び掛けた。
するとどうだろう…。
パタっ… パタっ…
今度は畳が持ち上がりはじめたのだ。
「うわっ、っととと…」
魔理沙の下の畳が高くまで持ち上がり、魔理沙がバランスを崩す。
神奈子と諏訪子も回りでバタバタと上がる畳を睨みつける。
早苗の周りだけの畳は何故か動かない。
諏訪子が怪異を鎮めようとするが、何故か体が動かない。同じく神奈子もである。
ただならぬ気配に視線をやると、湯飲みをお盆に載せた小坊主が二人の周りを回っていた。
「こ…こんなもの…!」
フン!と二人が力を入れると金縛りは解け、小坊主はかき消えた。
同時に畳の揺れは収まった。魔理沙が体勢を立て直して言う。
「ポルターガイスト現象か、近くに三姉妹でもいるのか?」
「いや、違う。これは…」
諏訪子が怪異の原因を考える。
「早苗、何か心当たりは無い?」
ハッ、とこないだの祟り岩の件を思い出す早苗。
二人の前で隠すワケにもいかず、事の次第を全て話した。
「なるほど、まだそれが原因かどうかは分らないが…。今後怪異が続く可能性も多いにある。」
「何なら私達も力を貸してあげようか…?」
神奈子と諏訪子が怪異の解決に協力しようかと持ちかける。
「いえ、この怪異は私一人で何とかします。」
事の発端は自分にあること、そのことで二人に迷惑をかけたくないことから早苗は出来る限り自分一人の力で何とかすることを決めていた。
「そうか…それなら私達もしばらく様子を見ることにしよう。くれぐれも無理しないようにね。」
こうして、怪異一日目は幕を閉じた。
「何だか面白そうな事になってきたんだぜ。」
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